RXマイコンにプログラムを書き込む方法

RXマイコンにプログラムを書き込む方法を紹介したいと思います。本記事では、ターゲットデバイスにRX631を用いますが、他のRXマイコンでも同様の方法で書き込みができます。統合開発環境にはe2studioを用います。

開発環境

  • パソコン: Windows10 64 bit
    • 統合開発環境: e2studio 2021-01をインストール
    • コンパイラ: Renesas CCRX v3.03.00をインストール
    • 書き込みソフト: Renesas Flash Programmer V3.08.01(無償版) をインストール
  • ターゲットデバイス: R5F5631PDDFL

e2studioでプロジェクトの作成

e2studioを起動するとワークスペースを選択する画面が出ますので、ワークスペースとして使用するディレクトリを選択して、「起動」ボタンを押します(図1)。

図1:ワークスペースの選択画面
図1:ワークスペースの選択画面

新しいワークスペースを選択して起動すると、「ログ/使用状況データ収集」の画面が出てきますが、そのまま「Apply」でいいです(図2)。

図2:ログ/使用状況データ収集画面
図2:ログ/使用状況データ収集画面

e2studioの操作画面が出てきたら、[ファイル]→[新規]→[Renesas C/C++ Project]→[Renesas RX] をクリックしてプロジェクトを新規に作成します(図3)。

図3:プロジェクトの作成
図3:プロジェクトの作成

最初の画面では、CCRX toolchainを使用するため、「Renesas CC-RX C/C++ Executable Project」を選択して、「次へ」をクリックします(図4)。

図4:プロジェクトのテンプレートの選択
図4:プロジェクトのテンプレートの選択

次の画面ではプロジェクト名を記入します。この記事ではプロジェクト名を「1_LED」としました。記入を終えたら、「次へ」をクリックします(図5)。

図5:プロジェクト名の記入
図5:プロジェクト名の記入

最後の画面では、ツールチェインに Renesas CCRX が選択されていることを確認して、ターゲットデバイスを選択します(図6)。私の場合、「R5F5631PDDFL」を使っているため、「R5F5631PDxFL」を選択しました。ツールチェイン・バージョンについては「v2.08.00」でも大丈夫だと思います。選択したら「終了」でプロジェクトが作成されます。

図6:ツールチェーンとデバイスの選択
図6:ツールチェーンとデバイスの選択

プログラムファイルの出力設定

プロジェクトが作成できたら、プログラムファイルが出力されるように設定します。プロジェクト「1_LED」を選択して、[プロジェクト]→[プロパティ] をクリックすると、プロパティ画面が開きます(図7)。

図7:プロパティ画面を開く
図7:プロパティ画面を開く

開いたら、[C/C++ビルド]→[設定] を選択して、[ツール設定] タブ→[Converter]→[出力] をクリックします。「ロードモジュールコンバータを実行する」にチェックを付けて、出力ファイル形式が「モトローラS形式ファイルを出力する」に設定されていることを確認します。設定を終えたら、「適用して閉じる」で画面を閉じます(図8)。

補足. 出力ファイル形式に「インテルHEX形式ファイルを出力する」を選択してもいいです。

図8:プロジェクトファイルを出力するように設定
図8:プロジェクトファイルを出力するように設定

プログラムをビルドして書き込み

次にソースコードをプロジェクトに追加していきます。エクスプローラーでソースコードのコピーを行い、[1_LED]→[src] を右クリックして「貼り付け」でプロジェクトに追加できます。元からある「1_LED.c」は削除します。

ソースコードをプロジェクトに追加したら、「1_LED」を選択して、左上のトンカチマークをクリックすることで、ビルドが始まります。コンソールに「Build Finished. 0 errors」と表示されれば OK です(図9)。

図9:プロジェクトのビルド
図9:プロジェクトのビルド

ビルドが終わっていれば、「HardwareDebug」フォルダの下に「1_LED.mot」というプログラムファイルが作成されています。Renesas Flash Programmer (RFP) を起動して、プログラムファイルに「1_LED.mot」を選択します。前回の記事のRX631と接続する方法でPCとマウスを接続して、「スタート」で書き込みを行います。「操作が成功しました。」と表示されれば書き込みは成功です(図10)。

補足. 出力形式にHEX形式を選択した場合は、プログラムファイルに「1_LED.hex」を選択してください。

図10:RFPによるプログラムの書き込み
図10:RFPによるプログラムの書き込み

シングルチップモードで起動すれば、書き込んだプログラムが実行されると思います。

参考文献

[1] e² studio 2020-04、e² studio v7.8 ユーザーズマニュアル入門ガイド
[2] Renesas Flash Programmer V3.08 フラッシュ書き込みソフトウェア ユーザーズマニュアル

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